« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

リアルのゆくえ という名の世代間闘争

東浩紀氏と大塚英志氏との共著『リアルのゆくえ』を読んだ。

本の紹介ページにはこんな説明が。

ぼくたちは今どんな時代を生きているか。
批評の言葉は怒る若者たちに届くか。
サブカルチャーの諸問題から国家論、表現論まで、
わかりあうつもりのない2人による8年間の世代間闘争。

若手ではほとんど唯一、影響力のある思想家ともいえる東氏とサブカルケンカ番長大塚氏による、8年間にも及ぶ口喧嘩をまとめたアルバムといった内容。

自分も一度、大塚氏にはばっさりやられたけれど、年下の口答え(?)に対する猛犬ぶりはすさまじい。
しかし、一読者としてその暴走振りを読んでみると、若手を罵倒するのは氏の言語技術の一種なのかもしれない。

東氏の本は、デビュー作の「存在論的、郵便的」とか最近の「ゲーム的リアリズムの誕生」とか何冊か読んだけど、いまいち難解で半分よくわからないっちゅう感じ。
本人が著書での説明を省きがちなのは、出版言論を信じていないこととネット言論への希望と絶望から来ることが大塚氏の猛チャージのおかげで判明。
東氏の理論でよくわからなかった点が、逆ギレする形でわかりやすく説明されていたw
この対談本がそれなりに売れてるらしいのは、東氏の本を敬遠していた読者にもわかりやすく伝わったという側面もあるのかも。


しかし、共通点も多い東氏と大塚氏の口論が最後までかみあわなかったのは、公共という言葉の認識ギャップ以上に、出版言論に重きを置くか置かないかという世代間の温度差によるものが大きいのかなと。
表現や言論のリングを、昔ながらの紙媒体とみるかネットと位置づけるかの違いはけっこう大きい。
自分らの世代にとって、わざわざ客が少ない古いリングで体を張った戦いをみせるメリットを感じない。東氏より若い若手の批評家がほとんどいないのもそんな理由か。
ネットも活用する若手論客の東氏の主張を「閉じている」と攻め立てる大塚氏。
氏の本もけっこう好きで勉強になるのだけれど、ほとんど読者がいない国内出版論壇にしか届いていないという意味で、せっかくの主張が閉じてしまっているのは大塚氏の方のように思える。

あとがきで明かされた、大塚氏からの印刷2日前の大幅な削除要請もご愛敬。
いろんな意味でエキサイティングな1冊。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

kindleは日本でブレイクするか?

新刊『インフォコモンズ』で【情報共有圏】という概念を提唱している、ITジャーナリスト佐々木俊尚氏が、有料メールマガジンを今夏から開始した。

佐々木俊尚のネット未来地図レポート

さっそく、読んでみたけど最先端の内容でかなり面白かった。

最初の4回は、下記の内容。

--------------------------------------------------------------
【8月4日配信号】
『マイクロ・インフルエンサー』はクチコミ情報を集約させる

【8月11日号】  
『1対1』と『多対多』が融合するケータイ小説マーケティングの可能性

【8月18日号】 
Amazonの『Kindle』はなぜ成功したのか『非PC』から『PC不在』への大転換

【8月25日号】 
グーグル・ストリートビューの進化の先には、どんな世界が待ち受けているのか

-------------------------------------------------------------

ネットマーケティングやコンテンツビジネスにかかわる仕事をしてる人にとっては、かなりホットなテーマじゃないかなと。

切り口や取材対象にもエッジが効いてるのはもちろん、
IT技術動向と一般社会の動向との考察がバランスよく混ざっているのがさすが。

元毎日新聞社会部という佐々木氏の文章には、単なるIT好きのソーシャルギークではなく、社会学的かつ社会部的(?)的なヒューマンな視線が感じられて読み心地がいい。

個人的に興味深く読んだのは、【Amazonの『Kindle』はなぜ成功したのか『非PC』から『PC不在』への大転換】

日本のソニー・松下が電子書籍事業から撤退するのと前後する形で登場し、アメリカで人気を呼びつつあるという電子書籍端末「Kindle(キンドル)」。

発売元のアマゾンでは、昨年11月に全米発売されて以来、この半年あまりの出荷台数は24万台だそうな。日本の両メーカーの出荷台数がおそらく1万台前後だったのに比べると、かなりの飛躍といっていいだろう。

もっとも、ブレイクするかどうかはまだわからないし、先行の読書専用端末が失敗している日本で受け入れられるかどうかもも微妙なところ。一筋縄では行かない営業力(政治力?)が必要な学校・教育市場での先行普及もそう簡単ではない。

しかし、佐々木氏曰く、このキンドルの成功は、アップルのiPodビジネスの先行成功事例ときわめて似通っているのだそうな。

iPodというデバイス(装置)、iTunesという音楽再生ソフトウェア、iTunes Storeという音楽購入ビジネスの3つを垂直統合させた、シンプルかつ気軽なエコシステムを完成させたことがアップルの成功要因。

アマゾンのぷち成功も、kindle(=iPod)+書籍コンテンツ購入ビジネス(=iTunes Store)の2つを垂直統合させたことにあるらしい。

kindleの、ソニーのリブリエモデルを思わせる無骨な外見がガジェットとしてCOOLかどうかが疑問が残るけど、PCを必要としない「PC不在のエコシステム」の新しさは否定できないところ。実際にWEBで電子書籍ビジネスをやっていると、PCを介在させないと買えない読めない面倒さを運営者・ユーザーの立場で多少は感じているから。

個人的には、物語ではなく、テキスト情報主体の新書(=雑誌の特集のようなもの)であればぜんぜんkindleでいけると思う。

しかし、kindleがipodになるためには、品揃えなど圧倒的なサービス「規模」と秀逸な技術構造が必要なのだそうな。

日本の電子書籍も、コミックを牽引役とした市場拡大とともに規模についてはやっと大きくなってきたけれど、まだ圧倒的とはいえない。

あとは、技術を含めた「構造」という点に課題が大きいなぁと。

ただ、数年前の市場黎明期と異なり、ごく一部のひとは「規模と構造」の概念とその重要性に気がつきはじめた。これからは検討している構造化を形にしていくステージへ。

本とネットの公園というこのブログ名がその答えなのだけれども、形にするまではまだちょっと時間がかかるかなと。

佐々木氏の言うように、プラットフォーム戦争を制するものがグローバル市場を制す。

それがどのモデルかはまだわからないけど、覇権が決まるまでにまだやれることがあるだろうと。

このレポートを読みつつも、試行錯誤していこうと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ポニョJAPAN

大方の予想通り、ジブリの新作『崖の上のポニョ』がまたもメガヒット。
公開後1ヶ月で興行収入100億円を突破したそうな。。


最近は新作が公開されるたびに劇場で1,000万人は観るらしいからすごいなと。

コアなジブリファンではないけれど自分もラピュタ好きだし、奥さんもハイジ好き。
自分はまだだだけど、娘はポニョも含めてほとんど観てる。
同世代の親たちはけっこうジブリアニメで育ってきてるから、その子供もまたジブリ漬けw

4歳にしてトトロを100回以上観てる熱血ジブリファンのわが娘。
あまりにも観すぎてメイそっくりの性格になった。
ライフスタイルがトトロに似てるらしい自分も娘のことはいえないけど、できればナウシカかシータに似てくれればよかったのにw

ポニョを観てから娘の外見はポニョに似てきたみたい。
しかし、キッズたちへの影響力は相変わらずすごいなと。

最近は宮崎駿監督の映画というより、鈴木Pの映画といった感じだけど、ポニョはどうだったのかな?

※ここらへんの事情は『宮崎アニメは、なぜ当たる スピルバーグを超えた理由 』という本が詳しい。

鈴木Pによる作戦転換以降、すっかり国民的アニメになったジブリ作品も、海外では今ひとつ人気がないという。
言語の壁や大人がアニメを観る習慣がないせいもあるらしいけど、日本でのみ異常な人気を誇る不思議なシリーズ。

日本人はなぜこんなにジブリが好きなんだろう?
平和でスロウな感じが古き良き素朴な日本を感じさせるのかな?

平和のシンボル風なジブリ人気が続くうちは平和だといいなぁ~

| | コメント (0) | トラックバック (1)

プロ野球JAPANの敗北

昼間、TVで日韓野球対決を観戦。
案の定、また負けた。。

言い訳はあれこれあるだろうけど、はっきり言って真剣勝負慣れしていないような。

メジャーリーガーは参戦せずマイナーリーガーとアマチュア中心の五輪に、世界一高額なチーム年棒と強化予算が売りの「ドリーム」チームを送り込んでなぜ5敗もしてしまうのか。。

最大の国内競技人口が支える甲子園という名の競争激しいユース育成システムとプロリーグが存在し、実質的に日本の国技ともいえる野球競技の敗退。

ダルビッシュもしかり若年層のレベルはまちがいなく世界トップレベルのはずなのに、プロ野球というぬるま湯に浸っているとこうも弱くなってしまうのかと。

メジャーリーグに挑戦するプロ野球のトップクラスですら、プロ野球界の異端児かつ最高傑作といえるイチローを除くとメジャーの平均的選手に留まってしまっている現状。

メジャーのスカウト曰く、松坂クラスであれば日本のぬるま湯ではなく最初からメジャーで鍛えられていれば、メジャーのトップ投手になれた可能性はあったそうな。

今回、国際試合での判断ミスが続いた星野采配を批判する声は多い。

とはいえ、星野監督は海外で戦うということについてはただの素人。「絶対負けられない」と言いつつ、「国内の馴染みのチームとしか戦ったことがない」新人をスポンサーとメディア受け優先で代表監督に選んだ野球界が悪いような気がする。

そして、投高打低ということで、まるで打てなかった打撃陣への批判もまた多し。

しかし、リーグにたった6チームしかなく、毎年わずか5チームの似たような顔ぶれを相手に日々のルーチンワークをこなす環境の中、初顔の投手陣に対応する柔軟性を求める方が酷というもの。

世界のトッププロたちが競うメジャーという戦場経験も持たず、サッカーのように2部落ちの危機感もない国内リーグでは生まれない真剣勝負の緊張感で選手たちはがちがちになっていたような。

ほとんどが五輪初出場の選手たちに、世界での真剣勝負をしたことがないマスコミとプロ野球界が無謀にも金メダルをノルマ化したことが余計なプレッシャーも生んだような気もする。

格上の野球強豪国には全敗してしまったけれど、監督・コーチや選手たちはなれない環境の中、どでかいリスクを負った悲壮な覚悟で戦っていることはひしと伝わってきた。

日本の恥だ、という人も多いだろうけど、負けたのは日本のプロ野球という仕組みそのものであって個々の選手の力量ではなかったはず。

それぞれのリスクをしょって真剣勝負に挑んだ代表チームの人たちは胸を張って帰国してほしいなと。

女子ソフト金メダルの快挙を思うと、日本人が野球下手なわけではなく、プロ野球というぬるま湯な仕組みを許しているファンとマスコミが日本人を弱くしてしまうのかもしれない。

今思うと、WBCでの日本代表の優勝は、真剣勝負の世界を知るイチローなど日本人メジャーリーガーの存在が大きかったのだなあと。

しばらくは戦犯のように批判を浴びるに違いない星野監督と一部の選手が、今回の経験を糧に次代のプロ野球選手を変えていってくれるような気がしてならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

電子書籍市場 プロマネ考

今年も、恒例の電子書籍ビジネス調査報告書2008が届いた。

やっとこさ300億円規模に育った電子書籍市場

まだまだ小さいけれど、このままゆっくり育つといいなと。

問題は、大きくなるにつれて出版市場同様に、似たような売れ筋を追うつまらない市場になってしまわないこと。

さいきん、自分が会社に要求してることって
ただのわがままなのかな~と思うこともあったんだけど
このブログの過去エントリーを読んで、やっぱりそうだよねと。

■情報化社会の航海図プロジェクト型組織経営:あるいは兼業公認組織

プロジェクトとしての案件が発生時に、プロジェクト目的に沿ってチームを組成。終了したら解散。
部下や社員のような形で固定的な組織を抱えるのではなく、適時、社内外から調達をしてプロジェクト進行したいというニーズが増えているそうな。

個人的なことを言うと、仮に1年で300人に会い、新規案件話が300個あったとして、自社のリソースだけででき、自社の事業領域におさまる案件はたぶん10個もない。

共同の電子書籍ビジネスを、ということでアライアンスを組み社外の専門企業と組めたとしても、 自分でプロマネとしてローンチできるのはせいぜい3ヶ月に1個。
がんばっても年間6個ぐらいが関の山。

残りの290個以上はぽしゃるか事業領域がマッチした他社へ紹介するだけ。もっとも他社で成立した案件の割合も低いと思う。

新しい市場における面白いプロジェクトは、同時に難易度も高く数字がすぐに出ないという宿命。とてもリスキーかつエネルギーを使う。
そんなわけで、手をあげるひとはほとんどいない。

規模の大小問わずどこの会社でもよく聞くけれど、社内で手があがらなかった結果、スキルとノウハウなしに 強制的にやらされたひとの多くが、結果的に離職したり飛ばされたり病気になることになる両刀の剣なおしごと。

企業という枠があるおかげで、可能性を秘めた面白いプロジェクトの多くが墓場行きになったり、社内リソースのアンマッチのために失敗の終わってる現実。

悪いのはプロジェクトの方ではなくて、人材のアンマッチに由来することが多いと思う。

ベンチャーキャピタルやコンサルタントのひとに考えてもらいたいのは、まずプロジェクトありきですすめられる組織論。

最近、WEBやらコンテンツやらの教育関係のひと曰く、プロデューサーとかプロマネが日本で育たない理由は、お金と時間をかけて育ててもそのノウハウを生かして働ける組織があまりに少ないからだと言う。

これまでうまく説明できなかったけれど、こうした専門家が国内のイノベーションを阻んでる本当の課題を明らかにして対策を理論化してくれるとすごくうれしい。

電子書籍市場をつまらなくする、古い組織観・仕事観という阻害要因を早めにつんでしまいたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パパ雑誌の今

帰り道の書店で、興味深い特集を発見。

【男として父として、どう生きていますか?世界の「パパ男」事情2008】

189118

ちょいモテオヤジ誌「レオン」編集部からスピンアウトした人たちが創刊した、パパ向け男性ファッション誌「OCEANS(オーシャンズ)」の今月号だった。


オーシャンズといえば「よき父親像」が創刊時のコンセプトだったような。
物より思い出といった家族の心の豊かさを提案した新雑誌ということで最初は話題になっていたかな。

特集にひかれてひさびさに読んでみたけれど。。
楽しげでおしゃれな世界中の外人親子の写真とブランド品の広告づくしの内容。
う~む。ちょっと見ただけで生理的に受け付けない感じ。

団塊~バブル世代の物欲主義のシンボル雑誌レオンに反発し、アンチブランド志向の新しいパパライフを唱えていたはずだったのに。。
まるで、30代パパ向けレオンのようなブランドカタログ誌のよう。

マーケティング的には団塊Jr世代狩りということで、パパ向け育児雑誌とかパパ向けファッション誌がどんどん増えてるそうな。

しかし、実際に買ってるひとはどれだけいるんだろ。
お金持ちのパパ友があまりいないのでよくわからない。
ひょっとして、イケてるパパじゃないと面白さがわからないのかな?

特集をちらみした範囲では、江口洋介とかキムタクみたいにおしゃれでナイスなパパも増えているらしいけど、自分には遠い世界よのう。。
本屋さんでそっとページを閉じるわし。
漫画「ジパング」最新刊を買ってちゃりんこで家路へ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

グローバルワーク五輪

某外資系ネット企業に勤める友人とひさびさに飲む。

元陸上部の彼と100m金メダリストのボルトの驚異的な速さについて語りあう。世界にはまだ見ぬ怪物のようなアスリートがいるよねと。

そんな彼も怪物たちが競い合う五輪は他人事ではなく、仕事でも世界にはすごい技術者やクリエイターやらプランナーがごまんといて日々プレッシャーを感じているそうな。
国内ではトップランナーと自負していた彼も、世界に出るとまだまだ弱いなぁと思うことが多いらしい。
グローバル化やらフラット化の影響で、世界的な競争はスポーツや芸術の世界ではなくて、ふつうの仕事にも及んでるんだと力説してた。

今は生ぬるいJリーグで仕事をしてるからよくわからないけど、ネットメディアを見る限り、確かに世界の進化はおそろしく速い。

彼曰く、業種をオリンピックに例えると、
技術競技はインド、サービス戦略競技はアングロサクソン、資源競技はロシア、その他の競技は人件費が安い中国や東南アジアがメダル独占。
鎖国しつづける日本人は予選落ちらしい。。

これからの個人は、この分野で自分が世界でトップクラスと言える得意技を持たないと生き残ってはいけないよと。
夏なのにことさら暑苦しいまでに熱く語る松岡修造のような男。。

なるほどねぇ~とは思うけど、365日仕事脳の彼と違い、お盆休みぼけの脳天気な頭で仕事の話をあまりしたくない。
そして、今からボルトやフェルペスになれるわけじゃあるまいしね。

怠け者の自分としては、すでに競争の激しい100mやサッカーに今から参戦したくはないなと。
自分で種目をつくっちゃったほうが早いような気が。
カーリングとかセパタクローとか、修造がいなさそうな種目がいい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アニキ室伏最強説

アニキこと、ハンマー投の室伏広治の五輪が終わると同時に、
沈静化していた「室伏日本人最強説」が再燃しているそうな。


高校時代のアニキ(1個下だけどw)と一度だけ同じフィールドで練習をしたことがあるけれど、当時からアニキは超高校級のハンマー野郎として有名人だった。
高校生らしからぬ天然のソリコミとその人間離れしたパワーから
「千葉のハンマー番長」として畏怖されていたアニキ。
でかくて速くて遠くまで飛ぶ超人ハルクのようなスーパー高校生だったのを覚えている。


フィジカル超人たちが集う陸上五輪の金メダルまでとってしまった潜在能力に格闘界からラブコールがあるのもうなずける。

確かに、アニキがハンマーで鍛えた超高速ジャイアントスイングで、人類最強の男・ヒョードルをマットに沈める様をみてみたいような気が。

しかし、ガチンコであれば人間でも10mぐらい投げてしまいそうな感じ。。
ロンドンではなく、日本の四角いジャングルでその戦いをみたいなぁと。

■写真はすべてイメージ

・逆上し、敵レスラーに怒涛のナックルパンチの雨を降らせるアニキVbnkcaq1aeb9ca2ijt0dcavqu0w9catzrnw

・豪快なジャイアントスイングで敵を場外まで投げ飛ばすアニキ

5430cady74ahcahgvc22caepc92fcafly1o

・決め技のラリアットの構えをみせるアニキ

Znpgca1ja739caf9fl3qca712mjvcadrj_3

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ロストジェネレーションの声を聴け

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8

著者:石田 衣良

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8

池袋ウエストゲートパーク(IWGP)シリーズ最新刊でシリーズ第8弾の本作。

「ロストジェネレーションの声を聴け『俺達は、透明人間じゃない。』

という腰巻フレーズとともに下記4つの短編を収録。

・パチスロで稼ぐ崖っぷちのシングルマザー「千川フォールアウトマザー」
・西口公園のゴミを拾い続けるエリート青年「池袋クリンナップス」
・脅迫魔に立ち向かう腕自慢の元警官「定年ブルドッグ」
・人材派遣会社の悪徳を暴く若者たち同盟「非正規レジスタンス」

秋葉原の事件や人材派遣・ネット難民問題に代表される格差社会の闇に光を当てたいつもどおりタイムリーな内容を満載。

おすすめは、冒頭の「千川フォールアウトマザー」。
シリーズでいぶし銀の存在だったマコトのおふくろさんが、まるで主役級の活躍をみせる。 おふくろさんの回想によりマコトが生まれたころのエピソードにも触れられ、貧困や格差のせいで歪んだ人格が生まれてしまうわけではないことが暗に語られていた。


石田衣良は、いまや文壇セレブの1人のような存在だと思うけど、綿密な取材による情報収集の成果だけでなく格差社会のもとで人知れずひたむきに生き続けるひとの目線で物語を紡ぐ。

勝ち負けや白か黒かで線引きするのではなく、池袋を舞台に現代的な人情風味をきかせながらふつうのひとがふつうに生きる様が詰まった四篇。

腰巻にある「あわてて成長する必要なんかない。そう思うと日々安らかな気分ですごせるだろ?」とは、著者から若き読者へのメッセージのような気がする1冊。

昭和の名作『蟹工船』を読むのもいいけれど、現代プロレタリア文学の名作『IWGP』も読んでほしいもの。


池袋ウエストゲートパーク 目録

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホリエモンの想定の範囲外

ホリエモンこと元ライブドア堀江氏がブログを再開したそうな。

六本木で働いていた元社長のブログ

ホリエモンといえば、WEBの世界で働きはじめたとき、
IT=ホリエモンっちゅうような時代のアイコン的存在だったのを思い出す。
「ホリエちゃんがさぁ~」「ホリエモンとこないだ飲んでさぁ」
みたいなことを言う、怪しげなひとびともけっこういたなと。

本人に会ったことがないのでそのキャラクターがよくわからないけど、
一時代を築いた同世代の豪傑であることは間違いないような。

少年ジャンプの元愛読者だったらしいホリエモン。
ドラゴンボールの悟空が強敵を倒し続けて大きくなっていくイメージで、M&Aを繰り返していったような気がする。
戦闘力が巨大化してちょっと調子に乗っているうちに、理由もわからないまま外野の審判=検察に逮捕されてしまったというところが本音なんだろうか?

逮捕される前にブログをよく読んだことはなかったけれど、
再開されたブログを読む限りはかぎりなくふつうの35歳。
頭の回転はものすごく速そうなのに、文章の妙な短さや絵文字が軽薄なイメージにつながってバッシングを必要以上に大きくしてしまったような感じが。。。

しかし、35歳といえば一般企業でいえば係長ぐらいの年齢。
まだペーペーの年齢だったにも関わらず、日本中を大きくお騒がせした稀代のトリックスターの今後に興味しんしん。

アイドル&サブカル好きでネット好きといういかにも団塊jr世代らしいホリエモン。
アニメ『オネアミスの翼』の大ファンで続編製作に興味があったらしいけど、そのトリッキーな才能を想定の範囲「外」の新事業に使ってほしいなと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

わしの柔道ニッポン復活私論だス

柔道100キロ級で鈴木桂治がまさかの初戦敗退。
う~む。柔道ニッポンの凋落を象徴するような負け方だった。

かつての国技から、すでに世界199ヶ国でプレイされる世界的競技JUDOに変わった今、いつまでも一国がメダル数の何割かを占める時代でもないのかなと。

しかし、ロス五輪で山下泰裕の金メダルを目撃して以来、五輪=柔道というようなイメージがあるのでこのまま弱くなってしまうのはさびしい気もする。

弱体化の理由としては、日本柔道の一本至上主義が世界の趨勢や競技ルールにあわなくなってきたとされてるらしいけど、国内の競技人口が20万人ぐらいしかいないというのが最大の理由かと。

ということで、山下チルドレンの1人として柔道ニッポン復活論を勝手に提案したい。


------------------------------------------
(1)いなかっぺ大将を復活するだス

不細工ないなかっぺ大将こと風大左衛門が菊ちゃん、花ちゃんという2人の美少女と楽しい学園生活を送るスポ根ラブコメ?『いなかっぺ大将』を月9の実写ドラマとして復活させる。

風大左衛門役にはジャニーズの新人、菊ちゃん花ちゃんには新垣結衣&北乃きいあたりを配役。エンディングテーマはAKB48。
「柔道でモテる青春」という新しいイメージを少年たちに植え付けたい。

------------------------------------------
(2)柔道ユース制を導入するだス

大学体育会出身者ではない優しいコーチに指導を受けられるユースクラブ制を導入。
浦和レッズJUDOクラブなどサッカークラブのユース部門に柔道クラブを加え、サッカーをやりながら柔道も親しめるような環境づくりを実施。
美人コーチの指導が受けられるにゃんこ先生コースも。

東海大・天理大・日体大・国士舘大OBらで構成される全日本学生柔道連盟と鬼の講道館が少年に与えるマッチョでいかついイメージを払拭し、次代のJUDO王子たちを育みたい。

------------------------------------------
(3)内柴08'モデルジャケットを発売するだス

NIKE、アディダス、PUMAがカラフルかつ無臭性の独自ジャケットを発売。
おしゃれを楽しむ余地のない無骨な柔道着にファッション性を付与。
内柴08'モデルや山下84'復刻版モデルなど、シーズン毎にレプリカ新作を買い替えて戦う楽しみも提案したい。



あとは、優勝すれば儲かるという当たり前の報酬制度を用意することか。
気合だけでなくマネープランも大事だス。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

星野ジャパンと反町ジャパン

オリンピックの反町ジャパン&星野ジャパンの試合を続けてTV観戦。

マスコミでは反町ジャパン、星野ジャパンの『絶対に負けられない戦い』とかって煽ってるようだけど、あきらかに中途半端な試合。

柔道やら水泳やらの個人競技の選手にとって、オリンピックは4年に1度の世界王者を決める世界最高峰の戦い。

それに対して、W杯やらCLやらメジャーリーグやらの一線級選手が出場していないサッカー・野球のオリンピックの位置づけは微妙な感じ。
反町ジャパンの相手のオランダはユーロ2008組はまるで出ていないし、星野ジャパンの相手のキューバにいたってはほとんどアマチュア。

国のトップ選手は怪我させたくないので出せないけど、国内リーグ関係者の面子も保ちたいという微妙なバランスの選手構成。
とりあえず出場して一応メダルを獲れればいいなっちゅう空気感が漂う。

優勝しなくてもいいけど、予選で負けないことがゴールという各国チームの事情が見え隠れ。
反町ジャパンにオーバーエイジ枠選手が出てないのは、予選敗退したときの保険をかけてるような感じ。
個人のためでも国のためでも家族のためでもない内向きの戦い。

闘将星野監督は熱い男だけど、やる側も観る側もモチベーションがいまいちあがってないような。。

オリンピックの熱戦に影響されてプールで平泳ぎにトライ(もちろん浮き輪付き)していた娘も、中途半端な団体競技には途中で飽きてお昼寝。つられてわしらも途中で飽きてお昼寝。

本当に真剣か否かはなんとなくわかってしまうものだなぁと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ダークナイト

レイトショーで『ダークナイト』を観た。

隠れた名作『バットマン・ビギンズ』の続編なんだけど、中身は続編という範疇を超えた怒涛の大傑作。
日本ではあまり盛り上がっていないみたいだけど、アメリカではタイタニックの持つ映画史上の興行記録を打ち破らんばかりの勢いでメガヒットを記録しているという。

かつてジャックニコルソンが扮した敵役ジョーカーを演じるヒース・レジャー(撮影途中に死去し、本作が遺作)が初代を超える怪演ぶり。
バットマンの新ガジェットもcoolだけれど、今作はその内容のダークさがすさまじい。

クリストファー・ノーラン監督は、自らバットマンを撮りたいと勝手に名乗り出ただけあって、その暗い情熱をこの新シリーズの映像にぶつけているように思える。
おなじみの勇壮なテーマソングを切り捨てて、圧倒的にダークな世界観が2時間半続く、まさに暗闇のような映画。

派手で明るいハリウッド映画好きなアメリカで、こんなにも暗い映画がメガヒットしているのは、イラク戦争後の厭世感に満ちたご時世をうつし出したものなのだろうか。
巨大な力を持つバットマン=アメリカが、その武力によってより理解しがたい敵ジョーカー=テロリストとの果てしない戦闘の泥沼にはまり込んでいくという厭世感。

現代アメリカ人の深い葛藤が、ある意味病的ともいえるこの映画に映し出されているから共感してしまうのかなと。

レイトショーの観客で、エンドロールの最後まで立ち上がる人は1人もいなかった。
なにかもの凄いものを観てしまったなぁと痺れる感じ。

他人に軽くおススメするような映画ではないけれど、見終わって久々にがつんと衝撃を受けた映画。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

電子書籍はクリエイターの敵か

最近、クリエイターの著作権保護やら国のコンテンツ振興施策やら
2次創作の著作権侵害やらの話が会う人会う人からよく出る。

少なくとも出版、TV、映画、アニメ業界のオピニオンリーダー的なひとはネットに対して、著作権者(著作権管理企業?)の権利侵害の側面を懸念している。もちろん、他人事ではないけれど。


中にはなるほどとうなずかせる部分も多いし、
実際にディズニーとかハリウッドやらgoogleの流通支配への対抗策上やむをえないんだろうなと考えさせることも多い。

国内ではどの業界でも、村社会の中の既存権益・流通モデルの延長線上にネットでの分配モデルをつくろうと四苦八苦しているような。

海千山千の先達にくらべまだまだ経験・知識ともに不足しすぎのため、
著作権保護と表現の自由をめぐる議論に対しては自論がうまく導き出せないなぁと。

そんなことを考えつつもネットを巡回してたら、
情報メディア論の論客、池田信夫氏の過去のブログエントリーにかなり共感。

■ネットはクリエイターの敵か


ネットというのはクリエイターの敵なのではなくて、
(敵だったら自作をそんなに発表しないだろうにと)
非生産者であるところのいわゆる業界人の敵なのよね~と。

これは自戒でもあるけれど、
ちょっと売れ線チックなアドバイスやら構成やら資料探しやら事務手続きを代行するのが仕事と勘違いしてる編集者やディレクター。
売れ線を予算をかけて大量露出するのがプロモーションだと勘違いしてる宣伝・営業マンの敵。

情報なり本なり映像なり音楽なりサービスなり技術なり理論なり。
ない知恵をしぼりつつ手を動かして常になにかを創造しつづけない限り、この高速かつ便利なネットという存在が敵になってしまう。

ただの消費者は別にして、
そんな世の中になっていくのがよいことなのかどうかはわからないけど
SHOW MUST GO ON とはこういう意味だったんだなと。

せめて電子書籍は、業界人ではなくクリエイターの味方でありたいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パッチギ的! で行こう

映画製作・配給会社シネカノン代表の李鳳宇氏の自伝
パッチギ!的 ~世界は映画で変えられる~
予想以上に感動的な1冊だった。

李氏は、大手配給会社+TV局+人気タレント主演+原作つき映画しかヒットしないといわれる閉鎖的な映画界に風穴をあけた革命児。

シネカノンが配給した『シュリ』『JSA』などの一連の韓国映画や、
『ブラス!』『ウォレスとグルミット』などは個人的には大好きなんだけど、日本でのヒットは難しい非ハリウッド的な社会派ジャンルのマイナー映画とされていた。

近年の邦画の最高傑作『パッチギ』『ゆれる』『フラガール』に代表される製作プロデュース作品の世界的評価も、
自前の映画館や買い付け・配給網といった自前の流通モデルと新しいファイナンスモデルを作り上げることで、小さな会社でも世界に通じる映画を作れるということを証明したと思う。

そしてなによりも、物語に対する情熱はもちろん、新しい流通モデル・製作資金調達モデルを作ることがいかに大事かということを後続する者に教えてくれた。

尊敬する李氏に影響されて、去年は自前のメディアの立ち上げと知財関連の法律の勉強をはじめてみたけれど、これがかなり難しい。。

今日、やっと勉強会が終了したけれど正直頭に入ってこない。
特に著作権のルールはこれから激変するらしいので、なんとか少し覚えた過去判例とか条項内容とかはあまり役に立たないような気がする。
法務知識不足もあって、かなり挫折気味。。

しかし、今では確固たるモデルを築いた李氏も、
配給業務をはじめた当初は国際契約ルールの知識のなさで途方にくれる毎日だった、と自伝に書かれていたのでちょっとほっとする。

氏が初プロデュースを手がけたのはちょうど今の自分の年齢だったそうな。いろいろ試行錯誤した挙句、40歳間際になってやっと方程式が確立できたらしい。

世界的なWEB技術やトレンド、法の変化のスピードは猛烈に早い。
それに対して、
自分の仕事の比較対象やライバルみたいな存在がいないので、
どういうペースでこの先進んでいったらよいのかよくわからない。
これをすることは早過ぎるのか、遅すぎるのかでいつも迷う。

今日で33歳も終わりだけれど、これからはこの先達が歩んだペースでひとつずつ進んでいけばよいのかなと。
先達はあまりにも遠いけど、映画の世界で実現したことは
たぶん本の世界でも実現できるんじゃないかなとなんとなく思う。

~世界は映画で変えられる~
というのがこの自伝の副題。

この本を読んで、自分自身も少し変われるとすると
~世界は本で変えられる~
ということもいえるんじゃないかと思う。

40までのあと6年かけてそのモデルをつくるのみかなと。
そのときは、映画と本の流通がネットで融合する時代になってるはず。
そんな時代になっていたら、出版と映画の世界配信を李氏といっしょにすすめることもできるんじゃないかなと夢想しつつ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

瀬島龍三 昭和エリートの遺言

Bpbookcoverimage

『転進 瀬島龍三の「遺言」』(新井喜美夫著 講談社)


昨年逝去した昭和最後の参謀こと故瀬島龍三氏が生前語らなかった昭和史の謎をめぐる本がついに出た。

早く誰か書いてほしいと思っていた待望の1冊だったのでさっそく読む。
これまでの瀬島本を読んだ印象としては、自伝はややご都合主義的かつ感傷的。ジャーナリストによる瀬島論本は、親しくないマスコミからの鋭い質問の核心に本人はまるで答えていないのでやや物足りない。
両極端だった既刊2冊に比べバランスが取れている印象。

非軍人の元財界人で歴史研究家という客観的な視野も持つ著者は、瀬島氏と組んで昭和の行政改革プロジェクトをすすめていたという親密な間柄。瀬島龍三という、賛否両論にまっぷたつに割れる毀誉褒貶の人物の本質とその功罪についてごく近い目線から冷静につづっていた。そして、戦後史の読み物としても面白かった。


戦史とかに詳しくない自分が瀬島氏に関心を持ってきたのは、その影に今は亡き祖父の姿を見出したからのような気もする。
敗戦時、海軍参謀から天皇の傍らで軍事命令や情報伝達をする侍従武官職に異動して大本営にいた祖父は、きっと同世代の瀬島氏とのやりとりもあったのだろう。

歴史的な経緯や戦略の違いもあって、大戦当時も陸海軍は敵対していたらしい。
シベリアに抑留された瀬島氏ら陸軍参謀は、帰国後に政財界に復帰し米国寄りのフィクサーとして日本社会を裏で動かしたという。
対する海軍参謀は戦後に捕虜にならなかった代わりに、戦後は表に出ず隠遁生活を送ったひとが多いらしい。
海軍OBをはじめとする元軍人の人たちの瀬島氏への評価はよくないみたいだけど、個人的には出世欲や名誉欲だけではこれほどたくさんの改革には取り組めなかったんじゃないかと思う。
退きの美学と不屈の美学の違いでしかないような。黙して語らずという点では同じような気も。

この本では、瀬島氏が「黙秘権」を行使して語らなかったそのへんを、ごく近い立場にいた著者が巧みな質問力と深い洞察力で読み取っている。

戦後、軍部と天皇の戦争責任を連合国から追及され続けた昭和のリーダーたちは、歴史の真相を語れる状況になかったのだと。
著者いわく、他人に笑顔をみせることのなかった瀬島氏の本質は液体人間だったのだという。
最高のエリート教育を受けた完全な組織人として、理想の国家像のために冷徹な目的達成ロボットのように生きていくことが昭和のエリートたちの存在意義のすべてか。
とはいえ、瀬島氏は自らの意思を完全に殺すこともできず、ぎりぎりの沸点近くまでは意思決定層への抵抗を試みる情熱も持っていたそうな。
これ以上はまずいと思えば引くという身の処し方を繰り返すうちに、引きどころと押しどころを条件反射で察知し心身が自動停止する習性が身に付いたのではないかと著者は分析する。

ある意味、単に昭和のフィクサーというだけでなく、国家組織の命に忠実なパブロフの犬的側面もあったのだろうか。

最終章では、教育にも強い使命感を抱いた瀬島氏が思い描いた古き良き日本人像が、戦後教育の中で消滅しつつある現状に警笛を鳴らしていた。
瀬島が目指した人づくりの理想こそがその「遺言」なのだそうな。

「人づくりの目標は『立派な人』『立派な日本人』『立派な国際人』をつくること。立派な日本人とは、この国の歴史、伝統、文化をよくわきまえ、常に自分は日本人だと自覚している人。立派な国際人とは、その上に立ち、世界の中の日本という認識を踏まえて、外国と付き合える人」


世界の一等国日本にふさわしい、立派な日本人。。
いつの世も、資源に乏しい日本のリーダー層や知識層が依拠するものは単一民族優秀説。
昭和のエリート層が目指した『立派な日本と日本人』という呪縛が、戦争とバブルと現在の鎖国社会をまねいた側面もあるような気もする。

フラット社会でもある現代は、一部のエリート層や知識層が庶民を啓蒙する時代ではない。客観的にみて、著者はかなりバランス感覚に優れた人のように思えるのになぜだろう。

民族としてではなく、一個人として自分なりの哲学や目的を持ち、自立して生きればいいだけなのになぁと。その結果として、故郷や自国の歴史や文化を自然と学んでいくものなんじゃないのかな?

個の意見や強さを持たないうちから、組織や民族単位で考える必要がどこにあるのだろう。
問題や希望は、民族と国家との関係ではなく個人と社会の関係性によって生まれるものなんじゃないかと思うけど。

立派な民族でなければならぬという理想は自明のもののようでいて、ある種のナショナリズムを生んでしまう危険も大きくはらむ。

戦後63年たった今もなお、なぜその呪縛が消えないのかを考えさせられた1冊。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

ねずみ男の冒険

映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』公開中ということで、ゲゲゲシリーズのメガホンをとっている本木克英監督にインタビュー。 

今回の続編で鬼太郎よりねずみ男の方が活躍してるのはなぜか?という素朴な疑問を聞いてみた。

理由はごく簡単で、本木監督ご本人がねずみ男好きなのだそうな。

鬼太郎シリーズがこのままヒットを続け、
もし自分のやりたいように作れるのならスピンオフムービーとして
ねずみ男が主人公の映画を1本作るのが本木監督の夢なのだと。

題名はBATMANならぬ『RATMAN(仮)』かな?

昔放映してた月曜ドラマランド版鬼太郎で初代ねずみ男役を演じた竹中直人からは文句を言われたそうだけどw、 映画版での大泉洋起用は大成功だったらしい。

たしかに、ねずみ男ファンからみても大泉洋の怪演ぶりには文句のつけどころがない。彼と同い年の自分としてはリスペクトに値する出来。

彼を超える可能性があるとしたら高田純次ぐらいのものだろう。


本木監督のねずみ男を映画化したい気持ちも痛いほどよくわかる。

しかし、限りなくマニアックなDVD向きな気がするし、劇場でヒットするのか?という疑問はつきないw

個人的にはその映画化の原作として、この奇妙な1冊『ねずみ男の冒険』をおすすめしたい。

平安時代から江戸時代などを経て現在に至るまでの歴史のあちこちに、いろんな人間に扮して顔を出し、「人生」のなんたるかを語り続けるねずみ男が主人公の物語。
とてもブラックかつシュールな諷刺まんが。

映画化まで自分が協力できることは、1人でも多くのねずみ男ファンを増やすことだけ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

グーグルMAPの功罪

はじまったばかりのgoogleMAPの新機能がすごい。。
まるで実際に道を歩いているかのような地図。

どう見えるかは、まずこの記事で


世界の主要都市に360度カメラを載せた車を走らせて撮影しているそうな。
グーグルはなんという力技を繰り出したんだろうか。 。

技術の進展は軍事的要請とともに、いわれるけれど
北朝鮮の金さん等世界の要注意人物の動きを徹底マークするつもりかなと。

他の個人情報と融合すれば、将来的には他者の行動を文字通り監視することが出来そうだ。憧れのあの人の視点を勝手に共有するなんちゅうことも出来るだろう。
一歩間違えればストーキング実現機能ともいえる。。

きっと、映像だけではなく音声や湿度・気温データ等あらゆるデータを取ってるはず。

グーグルの目指すセマンティックWEBの最終形態はリアルデータとの融合か。
今回のデータ取得で、ものすごいマーケティングデータの蓄積になりそう。
一般消費財のファッションや自動車だけで考えても、街単位の傾向分析やら購買力指数、中央から地方へのトレンド波及スピードがわかってしまう。


最終的には、リアルとネット上のデータ融合による擬似的な地球の再現を目指してるんだろうか?
しかし、サイバーパンクな企業だなと。

今回の機能は消費者としては便利ではあるけれど、利用方法を間違えると怖いね~。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

本と社会起業家

米国マイクロソフト社を退社し、NGO『Room to Read(ルーム・トゥ・リード)』を設立した社会起業家ジョン・ウッド氏がそのいきさつを綴った著書、
『Leaving Microsoft to Change the World
(マイクロフトを辞めて世界を変える)』 を読む。


マイクロソフトのアジア圏での事業開発責任者だったウッド氏。
現在はNGO活動を通じ、アジア中で図書館や学校を設立することによって
アジアのこどもたちに本を読める機会を提供しているのだそうな。

を以前読んだことがあったけどその活動は予想以上に大きく広がっていた。

そして、個人的にも考えさせられる活動。

現在、電子書籍の世界配信プロジェクトの関係で、世界各国の出版・読書事情を取材しながら調べているのだけれど、そこでは日本の特異性が浮かび上がる。

ぶあつい中間大衆層と日本全土を網羅する出版流通、
義務教育による高い識字率に支えられ
日本人にとって読書や本を買うといった行為はごく一般的なもの。

しかし、読書大国アメリカを含む世界のほとんどの国にとっては
すべての層が読書をしているわけではない。
特に海外の翻訳本を読む行為は知識層の愉しみだったり特権だったりする。
日本の出版物の潜在読書層も、一部の特定ジャンルのマニアか富裕層。
このウッド氏の指摘通り、海賊版ではなく
プロダクトやコンテンツの正規版輸出という商行為は、基本的には各国のリッチ層を対象としたビジネスなのかも。


民間企業の新規事業としておこなうケースもあれば
国のコンテンツ振興施策の一環として行うケースもあるのだろうけれど、
ジョン氏の活動は、NGOという立ち位置で世界中の有志といっしょに
知恵を絞ればここまでできるということを証明した。
そしてこっちのほうが正しいやりかたのような気がしてくる。 

もっと意味のある仕事をしたいと社会起業に乗り出したり、ビジネスで学んだ手法・ネットワークを、非営利活動にいかしたいという企業人がいま増えている。
このひとのやりかたは、政府や企業には実行できない、グローバルな規模での社会事業が成立しうるというよいロールモデルにもなりそう。

このような事業にこそ、電子書籍というツールをうまく活用できないかなと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

戦後63年の記憶

Jpu02360 Jpu02460

※ブラウザのJavaScriptをONにして、Flash Player9以上をインストールしてください。
Get Adobe Flash Player

戦後63年、今こそ問い直される核の現実 by ebiさん

カンタンCM作成サイト コマーシャライザー

戦後63年ということで、
1945年の夏の記憶を切り取った2冊の写真集を電子書籍限定でリリース。

あらためてこの写真集をみると、写真の持つ迫力にいまさらながら驚く。

今の世の中は、ケータイでも手軽に高画質の写真をとれるけど、
時代を経た写真が伝える力はそれとは比較にならない。
どすんとくる重たさ。
かんたんなレビューやら感想を許さない感じ。

言葉にならない夏が、写真の向こうにありました。

グラビアアイドルとかペ・ヨンジュンたちの写真集しかほとんど出版されない昨今。
失われつつある記憶をとどめた写真集がどんどん復刻されるとよいなと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

メイキングオブ スカイ・クロラ

今日のNHKで、押井守監督の最新映画のメイキング特集をやっていた。

ジャパニメーションの先駆けとして有名な『GHOST IN THE SHELL』は、今まで観た中で最も衝撃を受けたアニメ。
自分にとっての電子書籍の原像は、この作品のラストで描かれた情報ネットワークの海のようなもの。

その押井守監督が、森博嗣原作をもとに、思春期の姿のまま大人にならない永遠の子ども「キルドレ」の人生を描いた最新作『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』。

番組ではその舞台裏やこの映画を作った理由が本人から語られていた。

この映画は、責任を負うことや失敗することを含めて大人になることを怖がっている現代の若者に対する元若者からのメッセージなのだという。
宮崎駿と違い、あまり説教臭くなくある意味ドライなサイバーパンクな作風同様の性格だと思っていた押井氏にどんな変化があったのだろうか?

いつもどおりの押井節の映画らしい噂だけど、「『他人の人生に介入する』ということを、この作品で描きたかった」という言葉が印象的。

地下鉄サリン事件をきっかけに、あっさり風味な作風の村上春樹が他者の人生にコミットするような作風に変わっていったのを思い出す。

興味をひかれ、氏の新刊『凡人として生きるということ』も読んでみた。

還暦に近くなった押井監督は、不幸になってもいいからもう一度人生を生き直そうと思い始めているのだという。
この最新作をつくる道すがら、映画を創るということで他人の人生を背負い、大勢の視線の中で生きていく覚悟を決めたのだそうな。
失敗したり不幸になってもいいから、他者と交わり凡人の悲しみを引き受けること。
それが生を感じる始まりで、自由な凡人人生を歩む1歩になるのだと。

う~ん、さすがにいいこと言うなぁと。
ふつうのオヤジがいっても説得力なさそうだけど、こうしたことを言わなさそうな人が言うと説得力があるw

押井作品ファンじゃなくてもサイバーパンク好きじゃなくても、きっと共感できる1冊。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

天安門~北京五輪を思う1冊

言わずと知れた今年の芥川賞受賞作を読む

時が滲む朝

著者:楊 逸

時が滲む朝

初の外国人作家(楊逸・ヤンイーさん)による受賞ということで話題になった作品だけど、そんな背景などはあまり気にならない骨太かつ読後感さわやかな1冊。

民主化という熱い志に燃えた1人の中国人青年の、天安門事件の前から今回の北京オリンピック招致決定までの日々が静かにつづられている。

大学生時代の主人公の民主化にかける思いが、大学を追われ日本に渡り家庭を持ったのち、社会や家庭の現実との狭間で孤軍奮闘するうちに揺れ動くさまが等身大に描かれていた。

日本人作家が内向きのインナーサークルを描きがちな昨今、久々に清冽な大河小説を読んだなぁという感じ。

ちなみに今も言論の自由がない中国では、この本のあらすじ紹介から天安門事件云々が削除され、貧農出身の若者が日本で幸せになる物語として扱われているらしい。

そんな意味でも、非常に今日的なテーマを扱った1冊。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

電子書籍の方程式とか

最近、電子書籍なるものの認知度があがってきたなぁと思うこともしばし。
市場規模も今年は300億円を超えそう。
kindleやらgoogleブックサーチのおかげかはわからんけれど
外国の企業(今は韓国企業が多い。ビジネス志向の強い新大統領に変わった影響か?)からの市場ヒアリングも多くなってきた。

電子書籍への転身を考えてる国内出版関連企業につとめる知人やら、
他業界のひとびとからも決まって、電子書籍市場の飛躍の方程式は?みたいな大味なことをよく聞かれる。

なんとなくそれっぽい話をするものの、果たして方程式とか成功モデルを理論化することなんてできるんだろうか?といつも思う。

他のコンテンツもきっとそうだろうけど、たくさんの新しいことを山ほどやってきたひとが運よく10に1つのポテンヒットを飛ばしただけ、100に1つのホームランを打てただけのような気が。

出版物には、流通やら政治的な側面でベストセラーの方程式が多少存在すると思うけど、一般的にはどうなんでしょ。
コンテンツの世界は、昔も今も多産多死の歴史しかないようなけものみち。

なんとなくこれとこれを組み合わせればうまくいく可能性が高いとか、
最低限大損はしないみたいな感覚的なことがつかめただけなんじゃないかと。

評論家なひと、自分で新しいことをやらないひと、同じようなことを毎年やってるひとにはきっとそのことがぴんと来ないんだろうなと。

少なくとも、正解や方程式を他者に求めるひとには向いてない世界だと思う今日このごろ。

とはいえ、方程式があるならばわしも知りたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

電子書籍もWEB時代をゆくよ

いまや死語の「WEB2.0」ということばを流行させた梅田望夫氏の「ウェブ進化論」完結編、「ウェブ時代をゆく」を遅ればせながら読んだ。

いろんな意味で考えさせられる1冊。

パソコンでもWEBでもケータイでも、その鎖国的ビジネスモデルと技術力の無さから
世界標準(というかアメリカ標準?)からおいてきぼりをくらってしまったといわれている日本のIT産業。

そんな悲観的な現状を知りつつも、この梅田氏のオプティミストぶりは徹底していてすばらしい。
その前向きさに、本を読んでて明るい未来が開けてくるような気がしてくる。

このひとの本質は、コンサルタントというより
シリコンバレーの風に吹かれた思想家なんだなぁと。

しかし、ネットの可能性云々という現実的な部分よりも
梅田氏の描く未来のキャリア論はかなり説得力があった。

特に、企業の枠をこえたネットでの交流やら集合知の活用が、
働くひとのワークスタイルや価値観を変えてしまうというくだりには納得。

いま、就職バブルの影響で大企業や公務員志向のヤングが増えてるそうな。
ただし、これからは
「自分はこれこれこういう職業でこういう仕事です」
と説明がつくようなキャリアには
競争相手が多い割りに開拓すべきフロンティアがあまり残ってない
という点でほとんどのひとにとってはあまり未来がないと思う。

東大出てるような一部のパワーエリート以外の若者が目指すべき道は
新しいワークスタイルによる新しい職業=けものみちなのだ、という氏の主張は理にかなってる。

それは、既定路線やら既成概念を捨てて、好きなことや意味のあることや自分のビジョンをただひたすら信じて走り続けろという主張。

きっとまた、この本を読むような中間知識層の10代~20代の多くが
梅田チルドレンになっていくに違いない。
それはたぶん良いことだと思うし、逆にそれが唯一の選択肢のような気も。

ただ、走り始めたはいいものの日々選択の連続という現実の前に、
思考停止に陥って作業員とされてしまうヤングが多いのもまた事実。

浜野チルドレンとしては、
アンチマスを唱えてやみくもに走る前に、自らがマス教育と既存メディアで育ってきた現実を認識してから走ったらと思ってしまう。

いろんなひとにあって思うに、
走り続けてサバイバルしてきた先駆者たちは
情報や歴史や集合知やらを活用しつつも
結局のところ自分の実体験を信じてここまで来たんだなと。

たしかにこの本は、これから働くヤングのバイブルにもなる1冊。
ただし、この本に書かれていることはすでにマスの一部でもある。
その事実を忘れずに走り出してくれるひとが1人でも増えることを願う。

盲目な集合知や止まっている集合知はあまり役に立たない。

梅田氏が当三部作で伝えたかったことは、
俯瞰しながら走りつづける集合知にこそ未来があるということではなかったか。

電子書籍もそんなビビットな集合知によって、新しい可能性が生まれてくるような気がする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

洋販と風雲児の今

青山ブックセンターの経営支援で知られる、洋販という洋書輸入販売企業が昨朝、東京地裁に自己破産申請したそうな。
青山ブックセンターはブックオフの傘下に入る可能性が高いとのこと。

ちらと噂では聞いていたけれど、さっきニュースで知ってびっくり。

去年まで洋販を率いていた賀川さんというひとは出版業界の風雲児のような人。

海外マーケットでも有名な数少ない国際派の1人でもある。


数年前になにかいっしょに事業提携できないかとお会いした時、
俯瞰的な視野の広さとバイタリティ、長嶋茂雄を思わせる軽快な語り口がとても刺激的だった。

和書に比べて利幅の厚い洋書をキーにして出版~流通~販売を網羅した出版プラットフォームを作りたいという構想を語っていたのも印象的。
青山ブックセンターの経営支援に乗り出したのもその一環。

その手段として、青山ブックセンターでのリアル販売だけでなくネット販促や電子書籍にもかなり興味をもっていた様子だった。

結果的には、青山ブックセンター(とリアル書店のビジネスモデル)の存在が構想の実現のネックになってしまったのかなと。

賀川さんが試みた特定ジャンルに特化して縦に串刺しする垂直モデルが挫折した今、ブックオフのような横に串刺しする水平モデルがどこまで有効なのか興味深いところ。

飄々とした賀川さんが次になにを考えているのかも興味深い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エッジなひとびと

知りあいに誘われて、
それぞれネットメディアを運営するひとたち数人と飲んだ。

正直、ネット業界のカタカナ職種のひとたちと話しても
似たような国内だけにしか通じない内輪話や、一瞬ですたれるようなヘビーユーザーだけのトレンド話が多い。
いかにも浅そうでつまんなさそうだなと感じてたので最近はごぶさた気味。

しかし、今日出会ったひとたちは、珍しくエッジのきいた人たち。
むつかしい専門用語も多かったけど、目からうろこの新鮮な話も多くて行ってよかったなぁと。
ネットメディア特有のプロジェクトマネジメントのむずかしさはコンセプトの違いを超えてよく似ていてあるあるねた満載で楽しかった。
食わず嫌いはよくないね。

そして、業種も職種も年齢もまるで違うけど、共感できるところもしばし。シンクロニティーともいうべきものを感じる。
一見、とんがった人たちだったけど思想はあくまでも泥臭かった。

玉石とわず企画の量こそが質を保証すること。
メジャーだったり流行りものに依存するんじゃなくて、
新しくてオリジナルなものにスピーディーに取り組み、失敗を早く積み重ねたほうが強いということとか。
情報ばっかりの頭でっかちで評論家な人々が多いなか頼もしい。

ネットという狭い世界で完結するんじゃなくて、
隣接する他メディアやらリアルと相互補完していくことでしか
新しいものは生まれないのでは、との意見にははげしく同意。

マニアックすぎてよくわからんことも多かったけど、
音楽やらスポーツやらそれぞれの世界に対する強い愛情は感じたね。
鎖国的な国内市場や言語の壁をこえるための仕組みづくりが大事という想いはどの世界でもいっしょです。

今年に入って、専門ではないめんどくさいことが多く、
ちょっと停滞気味だったけど刺激を受けた1日。

持つべきものはエッジきいてる友だなぁと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »