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電子書籍もWEB時代をゆくよ

いまや死語の「WEB2.0」ということばを流行させた梅田望夫氏の「ウェブ進化論」完結編、「ウェブ時代をゆく」を遅ればせながら読んだ。

いろんな意味で考えさせられる1冊。

パソコンでもWEBでもケータイでも、その鎖国的ビジネスモデルと技術力の無さから
世界標準(というかアメリカ標準?)からおいてきぼりをくらってしまったといわれている日本のIT産業。

そんな悲観的な現状を知りつつも、この梅田氏のオプティミストぶりは徹底していてすばらしい。
その前向きさに、本を読んでて明るい未来が開けてくるような気がしてくる。

このひとの本質は、コンサルタントというより
シリコンバレーの風に吹かれた思想家なんだなぁと。

しかし、ネットの可能性云々という現実的な部分よりも
梅田氏の描く未来のキャリア論はかなり説得力があった。

特に、企業の枠をこえたネットでの交流やら集合知の活用が、
働くひとのワークスタイルや価値観を変えてしまうというくだりには納得。

いま、就職バブルの影響で大企業や公務員志向のヤングが増えてるそうな。
ただし、これからは
「自分はこれこれこういう職業でこういう仕事です」
と説明がつくようなキャリアには
競争相手が多い割りに開拓すべきフロンティアがあまり残ってない
という点でほとんどのひとにとってはあまり未来がないと思う。

東大出てるような一部のパワーエリート以外の若者が目指すべき道は
新しいワークスタイルによる新しい職業=けものみちなのだ、という氏の主張は理にかなってる。

それは、既定路線やら既成概念を捨てて、好きなことや意味のあることや自分のビジョンをただひたすら信じて走り続けろという主張。

きっとまた、この本を読むような中間知識層の10代~20代の多くが
梅田チルドレンになっていくに違いない。
それはたぶん良いことだと思うし、逆にそれが唯一の選択肢のような気も。

ただ、走り始めたはいいものの日々選択の連続という現実の前に、
思考停止に陥って作業員とされてしまうヤングが多いのもまた事実。

浜野チルドレンとしては、
アンチマスを唱えてやみくもに走る前に、自らがマス教育と既存メディアで育ってきた現実を認識してから走ったらと思ってしまう。

いろんなひとにあって思うに、
走り続けてサバイバルしてきた先駆者たちは
情報や歴史や集合知やらを活用しつつも
結局のところ自分の実体験を信じてここまで来たんだなと。

たしかにこの本は、これから働くヤングのバイブルにもなる1冊。
ただし、この本に書かれていることはすでにマスの一部でもある。
その事実を忘れずに走り出してくれるひとが1人でも増えることを願う。

盲目な集合知や止まっている集合知はあまり役に立たない。

梅田氏が当三部作で伝えたかったことは、
俯瞰しながら走りつづける集合知にこそ未来があるということではなかったか。

電子書籍もそんなビビットな集合知によって、新しい可能性が生まれてくるような気がする。

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