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本と社会起業家

米国マイクロソフト社を退社し、NGO『Room to Read(ルーム・トゥ・リード)』を設立した社会起業家ジョン・ウッド氏がそのいきさつを綴った著書、
『Leaving Microsoft to Change the World
(マイクロフトを辞めて世界を変える)』 を読む。


マイクロソフトのアジア圏での事業開発責任者だったウッド氏。
現在はNGO活動を通じ、アジア中で図書館や学校を設立することによって
アジアのこどもたちに本を読める機会を提供しているのだそうな。

を以前読んだことがあったけどその活動は予想以上に大きく広がっていた。

そして、個人的にも考えさせられる活動。

現在、電子書籍の世界配信プロジェクトの関係で、世界各国の出版・読書事情を取材しながら調べているのだけれど、そこでは日本の特異性が浮かび上がる。

ぶあつい中間大衆層と日本全土を網羅する出版流通、
義務教育による高い識字率に支えられ
日本人にとって読書や本を買うといった行為はごく一般的なもの。

しかし、読書大国アメリカを含む世界のほとんどの国にとっては
すべての層が読書をしているわけではない。
特に海外の翻訳本を読む行為は知識層の愉しみだったり特権だったりする。
日本の出版物の潜在読書層も、一部の特定ジャンルのマニアか富裕層。
このウッド氏の指摘通り、海賊版ではなく
プロダクトやコンテンツの正規版輸出という商行為は、基本的には各国のリッチ層を対象としたビジネスなのかも。


民間企業の新規事業としておこなうケースもあれば
国のコンテンツ振興施策の一環として行うケースもあるのだろうけれど、
ジョン氏の活動は、NGOという立ち位置で世界中の有志といっしょに
知恵を絞ればここまでできるということを証明した。
そしてこっちのほうが正しいやりかたのような気がしてくる。 

もっと意味のある仕事をしたいと社会起業に乗り出したり、ビジネスで学んだ手法・ネットワークを、非営利活動にいかしたいという企業人がいま増えている。
このひとのやりかたは、政府や企業には実行できない、グローバルな規模での社会事業が成立しうるというよいロールモデルにもなりそう。

このような事業にこそ、電子書籍というツールをうまく活用できないかなと。

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