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天安門~北京五輪を思う1冊

言わずと知れた今年の芥川賞受賞作を読む

時が滲む朝

著者:楊 逸

時が滲む朝

初の外国人作家(楊逸・ヤンイーさん)による受賞ということで話題になった作品だけど、そんな背景などはあまり気にならない骨太かつ読後感さわやかな1冊。

民主化という熱い志に燃えた1人の中国人青年の、天安門事件の前から今回の北京オリンピック招致決定までの日々が静かにつづられている。

大学生時代の主人公の民主化にかける思いが、大学を追われ日本に渡り家庭を持ったのち、社会や家庭の現実との狭間で孤軍奮闘するうちに揺れ動くさまが等身大に描かれていた。

日本人作家が内向きのインナーサークルを描きがちな昨今、久々に清冽な大河小説を読んだなぁという感じ。

ちなみに今も言論の自由がない中国では、この本のあらすじ紹介から天安門事件云々が削除され、貧農出身の若者が日本で幸せになる物語として扱われているらしい。

そんな意味でも、非常に今日的なテーマを扱った1冊。

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