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マグマ  エコと原子力発電の関係

マグマ Book マグマ

著者:真山 仁
販売元:朝日新聞社
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『ハゲタカ』の著者・真山 仁が放つ、地熱発電をテーマに最新のエネルギー情報をちりばめて描く大型経済情報小説。

内容(「BOOK」データベースより抜粋)
外資系ファンドのゴールドバーグ・キャピタルに勤める野上妙子は、東京支店長の待田顕一から、地熱発電を研究運営する日本地熱開発(地開)の再建を任される。妙子は地開の社長・安藤幸二や研究責任者の御室耕治郎から地熱発電の大いなる潜在力と将来性を説明され、再建の可能性を探る。一方、先進国エネルギー問題会議で、日本は欧米から原子力発電の閉鎖を強硬に求められていた―。
石油危機が叫ばれる今、ビジネスマン必読の書。

日本国内での外資系投資ファンドによる事業再生にエネルギー問題を組み込んだ「ハゲタカ」の続編的な物語かと思いきや、日本や世界の最新動向や過去の経緯を織り込んだ力作だった。

綿密な取材に基づく事実にこだわる著者らしく、最近の原油高問題やエコと原発新設を結びつけようとする国内外の政治的な動きや電力業界の思惑もリアルに描かれていて、原子力問題に詳しくない自分にもわかりやすく、一晩で一気に読んでしまった。

地熱開発がなぜ日本で進まないのかが語られている本書を読んで、事実上、日本にも核が保有されている事実を知った。日本の核開発は、敗戦後の占領下を脱して日本が独立した1952年から始まったらしい。

以下文章は月刊チャージャーの原子力発電問題特集から抜粋

吉田内閣時代の国会答弁で現在の科学技術庁設立が打ち出され、その付属研究所では秘密裏に原子力兵器開発が目論まれていたことが明らかになっています。多くの日本人が、広島・長崎の真実を知るのは、1954年に第五福竜丸の事件(ビキニ環礁付近のアメリカによる水爆実験で被曝)が起きてから。核についてはまともに報道さえされなかった時代のことですね。

岸信介は、原子力開発が自動的に核武装する力を保持することになると自伝の中で明記してます。佐藤栄作も外務省の内部文書で、原子力利用を推進して核武装へのポテンシャルを高めることや、エネルギー利用の真意が国民に悟られないように細心の注意を払うべきだということを主張しています。

中国をはじめアジア近隣諸国がなぜ日本脅威論を唱えているのかいまいち理解できなかったけど、他国からは日本はすでに核保有国だとみなされているのかなと。

原子力問題に興味をもち、少しぐぐってみたら、ひとつの原子炉からは、1年間で広島に落ちた原爆1000発分の放射能をもったゴミが出るそうな。1基40年稼働するとして1基当たり4万発。日本では現在50基以上の原発が稼働してるらしいので、単純計算で原爆200万発分の放射能が生み出されることになる。

その危険なゴミ(というより危険すぎる放射能)を安全に処理する方法がちゃんと議論されないままに見切り発車で開発された日本の原子力発電所。近年、六ヶ所村での放射能もれやら放射能もれ隠しが問題になってはいるものの、いまいちその危険性は共有化されていないような気が。

地球温暖化のエコブームの昨今、CO2排出量が少ない原発=エコだなんていう動きも電力会社やらエネルギー族議員の間で主張されてるようだけど、CO2と放射能のどっちが危険なんだという話。

この本を読んで、エネルギー戦争は別に中東やらロシアやらアングロサクソンだけの問題ではないんだなと遅ればせながら考えさせられた。

真山仁氏には、こうしたリアルな危機を一級のエンターテイメントにくるんで告発する物語をどんどん発表していただきたいなと思う。

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