« 出版は森を滅ぼす? 出版とエコの関係 | トップページ | どすこい出版流通 ~熱き出版人の遺書~ »

ブログ論壇の誕生 団塊とロスジェネの対立を超えて

ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657))

著者:佐々木 俊尚

ブログ論壇の誕生 (文春新書 (657))

ITジャーナリストの佐々木俊尚氏が、文春の月刊誌『諸君!』の連載「ネット論壇時評」を新書にまとめた1冊。

毎日新聞が運営する海外向けサイトでの破廉恥記事騒動や、朝日・読売・日経連合のポータルサイト「あらたす」、ウィキペディアへの官僚たちの書き込みがwikiスキャナーでばれてしまった件など、比較的最近のエピソードが網羅されている。
共感と非難を含め各種ブログでも大きな話題となった秋葉事件や、米韓のように深まりつつあるネットと政治との関係も。
数多くの今日的なテーマをからめつつ、既存情報の流し手とネットユーザーをめぐる事件を題材に、既存マスコミへの不信をつのらせるネットユーザーたちの中からネットを主戦場とするブログ論壇が勃興しつつある事実とその問題点が描かれていた。

一見、リアルVSネットという対立軸で語られがちなブログ論壇。
実質的にはマジョリティな団塊世代vsマイノリティなロスジェネ世代という構図なのだ
ということを明らかにしたという意味で、ブログを活用している世代ではなくむしろこれからネット消費の時間を増やしていく団塊世代向けに意味のある一冊なのかも。

しかし、「ブログ論壇の誕生」というタイトルとは裏腹に、表現とコミュニケーションの場としては、mixi、yuotube、ニコニコ動画やモバゲータウンなど、今やメジャーとなった感のある無料のWEB2.0的サービスに移行しつつある。
日本語のブログ投稿数が世界一といわれる中、匿名かつ内輪ネタにこもるがゆえの質の乏しさで、ブログ限界説もささやかれているそうな。

団塊とロスジェネ世代の中間に位置する著者のメッセージは、リアルかつロジカルな議論とそれを実現するアーキテクチャは、マイノリティ意識に拘泥する狭い世代だけでは生まれてこないということかなと。

巻末に収録された著名ブロガーリストも、
玉石混合のブログから骨太な議論が展開されていそうなものを選定した団塊世代向けブログナビ的要素を感じさせられる。

若年層にとっては、もはや「論壇」ということばさえピンとこないはず。

「ブログ論壇の誕生」のためには、ロスジェネやら団塊やら新人類世代をこえて、

17世紀のコーヒーハウスのような、活発かつオープンなネット上の討議の場の再設計が必要なのだ

ということかと理解した。

|

« 出版は森を滅ぼす? 出版とエコの関係 | トップページ | どすこい出版流通 ~熱き出版人の遺書~ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/68110/24463755

この記事へのトラックバック一覧です: ブログ論壇の誕生 団塊とロスジェネの対立を超えて:

» モバゲーパソコン [モバゲーパソコン]
モバゲーについて [続きを読む]

受信: 2008年10月28日 (火) 17時33分

» ロスジェネ世代の私の足跡 ~その1~ [人の生き方来し方]
久しぶりにブログの記事を書きますが、今回は、私の思い出話を長々と。 時間がある時にお付き合い下さい。 私は、現在29歳。 「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれる世代に当たるのでしょうか。日本の 「失われた10年」の間に物心がつき、私が世間のことをテレビニュース... [続きを読む]

受信: 2008年11月 4日 (火) 14時19分

« 出版は森を滅ぼす? 出版とエコの関係 | トップページ | どすこい出版流通 ~熱き出版人の遺書~ »